« 漢検合格証書 | トップページ | なんとか… »

2006年7月16日 (日)

栄光なき凱旋

久し振りに本の紹介です。
この本の返却が迫っていたために、この2日間というもの、必死に読んでいました。

「栄光なき凱旋」ハードカバー上下2巻でした。
一緒にリクエストの順番がまわって来た「マオ」(毛沢東のことです)は、私には退屈で諦めてしまったのですが、こちらは絶対に読み終えたかったんです。

時代は第2次世界大戦、舞台はアメリカ、日系2世のジロー、ヘンリー、マットが主人公になります。
これだけでもお分かりかと思いますが、かなり過酷なお話です…。


開戦後、彼らはアメリカ国籍を持っていますが、周囲からは「ジャップ」といわれて屈辱的な思いをします。
中には日本で数年間を過ごした事がある者もいますが、日本でもはみ出し者扱い、アメリカでも疎まれ…。
それぞれが複雑な理由を持ちながら、自分を、日系人をアメリカ人として認めさせるために、戦いに参加していきます。
そして戦後の法廷で、それぞれ違う立場で会うことになります…。

…西海岸の日系人が収容所へ送られたこと、日系人部隊がヨーロッパで勇敢に戦い犠牲者が多かったこと、ぐらいしか知りませんでした。

移民が始まってから年月が経ってくると、日系人とひとくくりにはできないほど、それぞれの事情が変わっているんですね。当然といえば当然ですが。


ハワイでは、アメリカで唯一爆撃を受けながらも、日系人が多いので収容所には入れられていません。そのために、収容所から志願してきた人間よりもおおらかで、収容所から来た人たちともめたりします。なんといっても収容所に入れられた人たちは、ほとんど財産を没収されたようなものでしたから。
でも同じ西海岸の移民の間では、白人とも仲良くやって成功している人と、日系人で固まり生活が苦しい人と格差が広がっていました。大学まで進学していた2世と、底辺の日雇い生活をしている2世…。
同じ貧しかった者同士でも、口減らしのために日本に送られて生活した者は、日本語が流暢だったために語学兵として捕虜の尋問を行い、最前線には送られませんでした。

どうしてこういう違いになったのか、自分の過去の行動を悔いたり、相手をねたんだり、いろいろな気持ちが生れてきます。
でも、アメリカという国から見ると「日系人」とひとくくりの扱い。
そういう差別とも思える扱いに抵抗したり、それでも命令には従ってしまう自分の中の日本人の考え方を自覚したり。
そういった心理描写がとても細かくて、切なくなってしまいます。

ハワイには日系の方が多いので、そういったところから興味を持って借りた本でした。
ハワイではすっかりなじんでいるみたいだけど、その後の移民の方の生活はどうなったんでしょう。
そういった方向に興味がでてきました。日本人持ち前の勤勉さで、また元のような生活を取り戻していったのかなぁ。

|

« 漢検合格証書 | トップページ | なんとか… »

コメント

なかなか重い内容のようですね。
今でも差別はあるようにも思います。
我々の知らないところでいろんな方がご苦労をされているのでしょうね。

投稿: もみぢ | 2006年7月16日 (日) 21:48

とも♪さんの機転の速さは、こういう本で頭を鍛えているからなのねー。私には難しすぎるぅ(^^;;

投稿: Hana*Hana | 2006年7月17日 (月) 10:33

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/153356/10968517

この記事へのトラックバック一覧です: 栄光なき凱旋:

« 漢検合格証書 | トップページ | なんとか… »